“表面利回り8%”の物件、本当に手残りはどのくらい?
前回に続き、今回は【税引後のキャッシュフロー】を見積財務諸表ベースで検証していきます。
▶前提:
・自己資本:1000万円
・物件価格:5880万円(総投資額6290万円)
・ローン:5290万円/金利1.25%/30年
・表面利回り:8%(空室率5%・運営費15%)
・減価償却:122.7万円
・税率(仮定):30%
▶キャッシュフローツリー(簡易)
– 総潜在収入(GPI):470.4万円
– 空室損・運営費引後(NOI):376.3万円
– ローン返済:211.5万円
– 税引前キャッシュフロー(BTCF):165万円
– 税額(所得税+住民税):約54万円
→ 税引後キャッシュフロー(ATCF)=111万円
✅ 思ってたより「手残り」が少ないと感じませんか?
表面利回り8%でも、フタを開けると、
手元に残るのは 100万円ちょっと/年。
これは月ベースで 約9万円の自由に使えるお金。
しかもこれは「空室率5%」「ローン金利1.25%」という
かなり楽観的な前提を置いた上での話です。
■ポイントは「課税所得」と「手残り現金」のズレ
減価償却や金利など、実際にお金が出ていない費用が経費になることで、 課税所得は抑えられても、税金はゼロにはなりません。
つまり、「黒字倒産」リスクもゼロじゃない。
税金とキャッシュの動きをしっかり設計しておかないと
“帳簿上の利益”と“財布の中身”がまったく一致しません。
■それでも不動産投資をやるべきか?
Yes、ただし「見積財務諸表」レベルの精度で戦略を立てられるなら。
投資は“勢い”で始めても、“数字”で継続しなければ、
長期的な資産形成にはつながりません。
あなたが目指すキャッシュフローとリスク許容度に合わせて、
投資判断ができる「数字の見える化」はできていますか?
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